演劇芸術監督
宮田慶子

2014/2015シーズンの開幕は、ご好評を頂いている「JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第九弾として、いよいよブレヒト作『三文オペラ』の登場です。おなじみの名曲「マック・ザ・ナイフ」と共に、稀代のヒーロー、メッキースが繰り広げる野望とロマンス、そして終景のドンデン返しで権力の構図を描き出す、不朽の名作です。

続く10月~12月は、シリーズ「二人芝居 ─対話する力─」の三作品を上演します。「二人芝居」は文字通り、俳優がたった二人で、台詞、感情、思考、表現のすべてを駆使して“対話”をしながらドラマを紡いでゆく、いわば、演劇の最も基本となる形態です。一作目はデイヴィッド・ヘア作、蓬莱竜太演出『ブレス・オブ・ライフ ~女の肖像~』、二作目はモーリス・パニッチ作、新国立劇場に初登場のノゾエ征爾の演出による『ご臨終』、そして三作目のニック・ペイン作『星ノ数ホド』には、2013年9月の『OPUS/作品』で高い評価を得た小川絵梨子が演出にあたります。

全身全霊で相手と向き合う濃密な人間関係は、閉塞する現代社会におけるひとつのヒントとなるに違いありません。

15年4月は、研修所修了生の若い才能に注目を頂いているシリーズの第三弾、テレンス・ラティガン作『ウィンズロウ・ボーイ』です。個人の尊厳と家族の絆を描く秀作を、鈴木裕美が演出します。

5月はイプセン作、宮田演出『海の夫人』。「JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズも回を重ね、第十弾となります。

続いて6月には、充実した実績を重ねている気鋭の演出家・森新太郎が、中劇場で鶴屋南北作『東海道四谷怪談』に挑みます。

そして7月は、2012/2013シーズンの『音のいない世界で』で、独自の抒情的な世界を作り上げた長塚圭史が、再び、大人と子供が共に楽しめる舞台を立ち上げます。おなじみのメンバーがつくり上げる新作に期待が高まります。

今年度も多彩で多様なラインナップとともに、豊潤で底力のある劇空間の醍醐味をお届けしたいと思います。

宮田慶子 プロフィール・演出作品